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米国企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)について
米国企業改革法は、企業の透明性(Transparency)及び説明責任(Accountability)を高めることや、株主の利益保護という側面では効果的であるものの、異なる習慣や文化を持つ企業への影響を充分考慮しているとは言えない。そのため、米国証券取引委員会(SEC)等に対し、各国の習慣や文化に適合させるための「適当な修正や適用除外」を行うよう申入れることが大切である、との共通認識があった。 |
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CSRについて
フランスでは複数のNGOから「CSRの格付け」の本が複数出版されており、この点多少の驚きを感じた。これらの本の内容が信頼に足るものかどうかは別として、フランス人のCSRに対する関心の高さを示す一例かと思う。
訪問先で共通して主張されていたことは、「CSRは世界的に議論して行くべき問題で、各国は議論に参加して意見を述べ、自国の習慣や文化に適合したものを模索して行くべきである。また、グローバルスタンダードという名の米国基準を米国から一方的に押付けられない様にすることが大切である」ということで、EU諸国は、米国基準に対して一定の評価をしているものの強い反発も感じられた。 |