ストックホルム市は、民間から土地を継続的に買収してきた歴史が有り、現在、ストックホルム市内の2/3もの土地を市が所有している。そのため、他の先進国と比較すると、非常に都市環境の整備をし易い環境が整っている。
ヨーテボリでも、都市環境整備に対する人々の理解と努力が見られ、街の中心部以外でも整然とした街並みが形成されていた。
前提条件や特殊性が日本と異なるため、都市環境整備に関して日本と比較することは現実的でないと思う。そこで、視察した施設などの中から、次の3点について述べてみたい。
(1) |
公共交通機関等の整備について
これらは、官民双方の努力次第で、日本でも実現可能なことである。また、歩道に接する建物に手摺りが設けられている点は、日本でも是非とも取り入れたいことである。
① |
バスの乗降口が、身障者や老人が乗降する際、路面近くまで下がること |
② |
路面電車の3両に1両は身障者用であること(ヨーテボリの場合) |
③ |
歩道・自転車専用道路・車道を分け、人と車輛の動線に一貫性が有ること |
|
(2) |
下水処理について
ストックホルムの街を流れる川や湖は、水が清浄で遊泳や釣りを楽しめるとのことである。かつて、ストックホルムでも他の先進国と同様、経済発展の過程で水質汚染に苦しんだ時期があった。しかし、官民一体となって下水処理の問題を解決するなどして、今日の清浄な水を取り戻したとのことであった。
「清浄な水と空気を取り戻す」というテーマは、政策と努力次第で実現できることを実感出来た。 |
(3) |
ゴミ処理について
スウェーデンのゴミ処理に対する意識と現実は、日本のレベルと同程度で、むしろ、若干日本の方が進んでいるという印象であった。
ダイオキシン、産業廃棄物処理、核燃料処理問題等、未だ、世界的に問題は山積しているため、今後も先進諸国が主体となって研究を重ね、世界の国々に情報を提供し協調を求めて行くべきである。 |